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ヒーロー・ダンディズム

ヒーロー・ダンディズム_1オトコにとって、"ヒーロー"とはどんな存在だろうか。誰しも少年の頃、テレビの中のキャラクター、スポーツ選手、あるいは父親など、憧れる存在がいたはずだ。彼らのように強く、格好良く、輝きたい。オトコが「こうありたい」と願う存在、それこそがヒーローなのではないだろうか。



ヒーロー・ダンディズム_2昔に比べ老若男女問わず誰もが認めるヒーローは少なくなったが、現代にももちろんヒーローは存在する。今回はスポーツというフィールドに立ち続ける、ヒーローのスタイルを学んでみたい。

一人目は、カズこと三浦知良だ。いうまでもなく、今日の日本サッカー界を担ってきた至宝だ。彼は高校1年修了を待たずに中退、ブラジルに渡り、帰国後は日本のエースとして君臨、キングの名を肩に乗せ、海外移籍までもを果たした。そんな過去は周知だろうが、彼を今「真のヒーロー」としているのは、40歳になった今も現役を続ける、常人の域を超えたその強固な意志だ。

例えば、練習グラウンドには若手より2時間早く到着してアップを行う。終了後も2時間居残って、入念に体をケアする。さらに体脂肪をパーセント単位で管理し、シーズン中はスタミナ維持のために体脂肪を1~2%上げるという。
プロは、体が資本だ。そして技術も、衰えてしまえば一線に立つことを許されない。ストイックなまでの姿勢を貫く。



ヒーロー・ダンディズム_3彼の生き方を端的に示す言葉がある。それが、折に触れて語る、「日本代表」という言葉だ。40を過ぎた現役選手として、周囲からみれば出場の可能性など、ゼロに等しいだろう。笑う者もいるかもしれない。だが、本人はその言葉を口にすることで自らを鼓舞するのだ。誰が信じなくとも、自分が自分の可能性を信じて、それに見合う努力を怠ることなど、頭にもない。それは、今までの自分が努力し、それに見合う結果を手に掴んできたからだ。



ヒーロー・ダンディズム_4そしてもう一人のヒーローが、鈴木亜久里だ。現役F1ドライバー時代、日本人初の表彰台という偉業を成し遂げながら、あくまでドライな物言いで、多くの人の理解を得られなかった男。
彼は、引退後に若手ドライバーの育成に力を注ぎ、レーシングチームを立ち上げた。それまでになかった「育成」に情熱を注ぎ、ついにはF1チームを設立する。彼は、ここでも日本初、いや世界初の男だった。国内の下位フォーミュラからトップカテゴリー、そして米国のインディーカー、F1まですべてを手掛けるチームオーナーは世界でただ一人、鈴木亜久里だけなのだ。



ヒーロー・ダンディズム_5こうしてみると、鈴木は順当な道を歩んできたかに思える。だが、彼の歩んだ道は、それこそ彼にしかできない、過酷な挑戦の道だった。自身のチームでいよいよF1に進出するという時、彼は「迷惑を掛けるかもしれない」と妻に離婚を切り出したという。しかし、妻もさるものだ。「あなたはやろうと思った夢はすべてかなえてきたじゃない」と、逆に鈴木を励ましたのだという。夫婦そろって、なんと芯のあることか。我々をシビれさせるるほどの爽快な気持にされるのは、彼の成功した結果を聞いているためではない。彼が挑戦し、その困難に打ち勝った姿が輝かしいからだろう。



この二人に共通するのは、その生き方、その姿勢で人をひきつけてやまない存在であるということ。いつでも上を目指し続けるストイックなまでの向上心、諦めない心。
そう、彼らは紛れもない、今そこにいる「ヒーロー」なのだ。

そこで重要なのは我々が、これほどまでに自分の夢に忠実に、美しい生き方をし、まばゆいまでのオーラを放つこのヒーロー達から、何を得ることができるかということだ。
大切なのは、例えどれほど年齢を重ねようと、厳しい環境にいようと、自分の未来を閉じないこと。可能性を信じ続けること。そして夢を諦めないこと。
それが人に感動を与える「ヒーローの条件」だ。
オトコは誰でも、ヒーローになりたがる。ならば、彼らの生き様を心に刻んでいこう。挑み続ける姿こそが、ダンディの真骨頂なのだから。


さて、3ヶ月にわたって綴ってきた「ダンディ・ラボ」は今回を持ってその幕を閉じる。男は、誰もがはじめから洗練され、余裕のあるダンディであるわけではない。だからこそ学ぶことによって、余裕や洗練、そして気配りといったダンディな大人の男の条件を手に入れることができるのだ。その手がかりの第一歩として、このブログを綴ってきた。ご愛読してくださった皆様には、心からの感謝を捧げたい。当ブログがほんの少しでもダンディへの手がかりが得られたと信じて、筆を置こう。
また逢える、その日まで。
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